岐阜支部 道経一体経営セミナー
- 事務局長
令和6年8月21日(水)に岐阜県モラロジー会館にて、夏季道経一体経営セミナーを(一社)日本道経会 専務理事の能勢 千晴氏をお招きして開催致しました。
参加者は、岐阜支部会員、岐阜県モラロジー経済同友会の会員、モラロジー維持員で45名の方が参加していただきました。
初めに、岐阜県モラロジー経済同友会の副会長の株式会社小島テントの小島基弘社長より経営実践発表をして頂きました。学校卒業後6年間修業を積み28歳で入社、2008年3代目社長に就任。リーマンショックで2年分の受注していた仕事がキャンセルになり白紙の状態になり経営危機を迎えたが、100年に1回のチャンスと捉え、会社の清掃に打ち込んだ。その時にモラロジーとの出会い、人生の師匠で株式会社マルエイの故澤田栄作様との出会いから、ご指導をいただき会社経営に生かされているとのことです。その例として、①我以外、皆師なり(謙虚な心) ②素直になることが大切 ③よいことがあったら社員のお蔭と思う ④苦しい時どうにもならない時は、墓参りをする、その時お墓の中から声がしてくる等、大変参考に体験談でありました。
能勢講師から「徳づくり経営」について、第1講目は日本道経会会員以外の方の参加もあり、最初に日本道経会の「道経一体経営」のPR動画を見て頂き、つづいて日本道経会の活動の目的、理念、活動方針についてお話いただきました。会員以外の方も多く参加されましたので、非常に参考になったと思います。
第2講目は自身の親から6代目社長として、引き継いだ創業200年の老舗「多田屋」の事業が経営破綻して、営業譲渡しなければならなくなったことについて、身に迫る生々しい体験をお話して頂きました。
38歳で社長に就任し絶対に多田屋の“アンカー”にならないぞと闘志を燃やし。スクラップアンドビルを慣行し、急速な店舗拡大経営を押し進め新店舗の開設又、コスト削減にも取り組み順調に業績は向上していったが、5年目で地域最大級のショッピングセンターが出来、売上が一気に落ち込む。起死回生策として、ショッピングモール内に千葉県最大級の店を出店したが、売上見込みの60%程度しか上がらず、この投資が致命傷となり、平成17年に経営破綻することになった。
自分の力を過信し、自分の足元を直視する冷静さを失い他人から何を言われても耳に入らなかった。経営破綻後は、従業員の再雇用は100%確保する、多田屋の商号を世に残す、従業員退職金を満額出すための選択肢として、特別清算・営業譲渡の道を選ばれました。
この決断をされるについて、多くの方々のお蔭と、奥様はじめ家族の支え、元従業員の感謝のお手紙によって癒され元気づけられたこと、又モラロジーのご縁によって助けられて自宅競売を奇跡的に回避できたこと、多くの気づきと学びを得られたとのことでした。
「他人と過去は変えられない、自分と未来は変えられる」「起きてしまった事実は変えられないが、その事の考え方・受け止め方でその意味を与えることが出来る」「この出来事があって今があり、この事は自分にとって良かった事」さえ今は思えるようになりました。と結ばれました。