東京支部 10月講演会
- 事業部会
10月10日(木)、麗澤大学新宿キャンパスにおいて、東京支部10月講演会を出席者22名で開催しました。「縮退する日本で、企業はどのように生き残れるのか?―DXの推進と新しいリスクへの対応」と題して、一橋大学大学院ソーシャル・データサイエンス研究科教授で麗澤大学国際総合研究機構副機構長・学長補佐の清水千弘氏にご講演いただきました。
清水講師は、日本のGDPや地価がグローバル経済の中で年々相対的に低下しており、海外では日本がユニークな文化を持つ国として認識されているものの、経済大国としてのイメージは薄れ、むしろ衰退しているという現状を指摘されました。これは、少子高齢化が進み労働人口が減少しているという構造的な問題によるもので、この問題を移民で解決しようとすると、約4,000万人規模の移民が必要になるとする試算がなされていると説明されました。
このような厳しい状況の中で、企業が生き残っていくためには、変化に対応できる力、具体的には、AIや機械と人の適材適所、人材育成による生産性の向上が不可欠であると強調されました。
また、個人の生き方についても言及され、仕事の目的・動機について、自分にとって良いことではなく、家族や社会にとって良いことを選ぶことが重要であること。どんなに成功しても、最後は人間関係が大切なので、家族や友人、社会とのつながりを大切にし、支え合いながら生きていくことが重要であること。そして、自身の経験を踏まえ、師を選ぶことの大事さを強調されました。
今回の講演は、日本の現状を客観的に分析し、企業が生き残るためのヒントを与えてくれるものでした。就業人口減少やグローバル化などの課題は簡単には解決できません。しかし、この講演で示されたように、変化を恐れずに新しい挑戦を続け、社会に何が貢献できるか考え続けることが、自分や会社の成長につながるものだと勇気づけられました。