京都支部 経済講演会
- 事務局長
2024年11月14日(木)、紅葉が目に鮮やかな錦秋の候、ホテルグランヴィア京都において、43名の参加者の元、経営講演会が開催されました。
講師は㈱尾賀亀 取締役会長の尾賀康裕氏で、講演テーマ「企業存続の秘訣は経営者がしまつして、きばって、長生きすること」です。
安政3年、現在の滋賀県近江八幡市で創業、170年に亘り経営を永続しておられ、現社長(康裕様のご長男)が6代目として事業継続されてます。
神戸大学経営学部入学までは、恋愛も封印して勉学に明け暮れ、入学後は落語研究会で大いに話術を磨き、二枚目な顔立ちとマイルドな話し方でそれまでの勉強一辺倒の人生から180度方向転換され、女性からも男性からも好かれる好青年として学生時代を謳歌されました。
卒業後、トヨタ自動車入社、販売成績も抜群の一方、過剰在庫も作り、コテンパンに上司から叱責を受けられました。その後、1981年に26歳で社業継承の道を歩むべく㈱尾賀亀に就職されました。
㈱尾賀亀とは、初代儀兵衛氏が日本で最初にアメリカニクソンモービルとの石油元売り契約を締結された会社で、2代目亀次郎氏が石油エネルギーとは真逆の食品事業(砂糖・小麦粉の食品卸、非常食の販売)も手掛けられ、大正時代には多角化に乗り出されました。
しかし、5代目尾賀康裕様(講演者)の時、リーマンショックの煽りを受け、企業存亡の危機に見舞われました。その時、先代、先々代の元で番頭として仕えておられた数々の社員が「康裕社長、これは私に任せて下さい」と次々に申し出をされ、倒産寸前の会社の立て直しを社員が担われました。又、メインバンクはじめ複数行の銀行から「尾賀亀さんならどうぞお金お貸し致します」と融資を快く引き受けて下さいました。
初代からの連綿と続く社員や家族を大切にする心と実行、信用が危機から脱出する原動力になったとの事でした。
テーマである、「しまつ・きばって・長生き」は、江戸中期の近江商人「中井源左衛門」の家訓から引用され、「酒宴遊興、奢りを禁じ、長寿を心掛け始末第一に商売に励む」を
人生の根本において今も研鑽を継続されています。
終始、穏やかな、心身共に一挙手一投足全てが「ミスターダンディー」である尾賀康裕様の講演会でした。
その後、アウトプット形式のグループワークを行い、10グループ全てに於いて、尾賀様の講義から受けた感想や取り入れたいことなどが活発に話し合われていました。
参加者からも「今日の経済講演会は特別に良かったね!」と喜びの声を頂きました。
スタッフ一同、事前準備をしっかり行い、本講演・グループワーク・懇親会・発表に至るまで充実した内容を参加者にお届け出来ました事、心より御礼申し上げます。